2012年12月公開
 
トナムラボ設立の経緯
-ベトナムラボを創設することになった経緯ついて教えて下さい。 「おやこでスマほん」については、いかにコンテンツの品質を維持しながら生産能力を高めていくか、というのが大きな課題でした。
これまでオーサリング(文字や画像、音声を組み合わせる作業)については、国内で制作ラインを組み、学生のアルバイトや主婦の方、制作会社さんなど多方面に依頼をしながら行ってきました。

皆さん非常に活躍して下さっているのですが、人によってPC環境が異なるので、「こっちの環境だと動くけど別の環境では動かない」などの問題があったり、個別に開発環境のトレーニングを行う手間がかかってしまったり、更には絵本の再生エンジンが改良される度に新たなスキルを習得して頂かなくては行けなかったり、と協力してくれる方が増えれば増えるほど開発スピードが失われていく、というジレンマに陥りつつありました。
そんななか、代表の池谷がベトナムに視察に行くことになったのですが、「制作の一部をベトナムに移管できるかもしれない」という大きな可能性を感じて帰国しました。
早速私が現地に飛び、トライアルと言う形で2週間滞在して現地スタッフと絵本の制作を行いました。
当初は「1冊ちゃんと作れたらいい方かな」と思っていたのですが、実際は2冊仕上げることができ、「これはいける!」と感じたので、そのままラボを立ち上げて帰国しました。3日後に本格渡航する予定です。
-それは楽しみですね!最初のトライアルではどんなところに手ごたえを感じたのですか? ベトナムに行く前は、文化の違いやメディアに触れてきた時間の違いなどが作品づくりにどのくらい影響するのか、またセンスの差やクオリティの差を克服するのにどのくらいパワーが必要になるのか、というところが心配だったのですが、現地スタッフとコミュニケーションをとってみて、思ったより大変ではなさそうだと感じました。
「桃太郎」や「かちかち山」など日本のお話を知っていたり、「世界中の子ども達のために良い絵本を作りたいんだ」という私たちの思いに強く共感してくれたりというスタッフの様子に触れて、ここでなら同じ目標に向かって良いものを作っていけるな、と実感できました。
あと、日本語が結構通じるというところも良かったですね(笑)。
-日本のお話をベトナムの方が知っているというのは嬉しい驚きですね! ベトナムラボではどんなことをする予定ですか? 当面は絵本の企画や素材の制作は日本で行い、最後のオーサリング作業をベトナムに移管しようと思っています。
音や画像などのデジタルデータを組み合わせたり、タップした時の反応を設定したりする「オーサリング」は作業としては非常に地味なのですが、担当者のセンスがコンテンツの出来不出来に大きく影響する重要なプロセスです。

細かなセンスの違いに関しては、丁寧に教えていく必要があると思いますが、最も大切なのは愛情をもって作品に接することができるかどうかです。
トライアルではラボのスタッフがみんな当社のアプリに非常に愛着をもって下さっているのを強く感じましたし、そういった思いがクオリティにも表れていることを感じられたので特に心配はしていないですね。
河原 祥二郎 ベトナムラボ責任者。「おやこでスマほん」の企画開発を担当。 こんな子どもでした 好きだった本は「おさるのジョージ」シリーズ。とにかく動物や魚や昆虫が大好きで、将来の夢は釣具屋さんかムツゴロウの動物王国で働くこと。魚釣りや昆虫採集はもちろん、ゴキブリまで飼わんばかりの生物好きでした。(さすがに今はゴキブリはちょっと苦手です。) 河原 祥二郎のプロフィール
トナムの魅力と今後の挑戦
-今、日本のIT企業がオフショア開発先として大注目しているベトナムですが、河原さんご自身はどんなところにベトナムの魅力を感じていますか? まず国全体にパワーがあるのがいいですね。平均年齢が27歳と若者がとても多く、どこも活気に満ち溢れています。ラボスタッフも新しい事を吸収することにとても貪欲です。
一方で「和」を大切にするなど日本の文化に近いところもありますし、日本のものづくりに敬意を払ってくれていることを感じます。日本語が結構通じるのも嬉しいです(笑)
何よりも魅力的なのは、スタッフの明るさです。仕事中もとにかくずっと笑顔!指導するときはできるだけその笑顔を曇らせないように、と気を遣うこともありますが、「仕事を楽しもう」というスマートエデュケーションの理念にもばっちり合っていると思います。

「スマほん」の「はじめてのことば」シリーズというのがあるのですが、みんなで絵をタップして「ソファ!」、「でんわ!」と日本語を覚えて無邪気に盛り上がっている姿を見たりすると、こちらまで楽しい気分になりました。
-確かに「スマほん」は日本語の勉強にもってこいですね(笑)。今後、「グローバルな制作現場」というテーマで挑戦してみたいことは何かありますか? オーサリングが軌道に乗ったら、今日本でやっている素材の制作やデザイン制作などにも挑戦してみたいですね。
-今後3Dなども取り入れていくのであれば、そのモデリングなどもやってみたいと思います。将来的には現地スタッフだけで仕事が回るようになるというのを目指しているので、マネジメントする人も育てなくてはいけません。
今後、ミャンマーやインドネシアなどが開発先の候補となる可能性もあります。アジア各国にラボを設立して、それぞれが得意分野で活躍する、なんていうことができたらいいな、と思っています。

それから個人的にやってみたいことは、ベトナム人技術者の教育です。
私は以前デザイン学校で講師の仕事をしていたので、これまでのキャリアを活かせる喜びもありますし、何か仕事抜きで貢献できることがあったらいいな、と思っています。
トライアル期間中も他社のスタッフも含めた勉強会を開催したのですが、「教育」をキーワードにベトナムの若者と交流できるというのは、自分にとってかけがえのない経験になると思います。
-いよいよ3日後に出発ですが、ずばり今の意気込みを教えて下さい。 先日ベトナムに行って、自分がいかに日本の感覚でものづくりをしてきたかを痛感しました。
どんな音がポジティブな音で、どんな音がネガティブな音なのか、など「音」に対する感じ方も国によって全然違うというのも初めて知りましたし、本当に色々なことに気づかされました。
ベトナムラボをいち早く軌道に乗せつつ、異国で仕事をすることで、自分自身もグローバルな感覚を身につけていけたらいいな、と思っています。
-本当に楽しみですね!ベトナムに行かれたら、是非現地の様子をリポートして下さいね。楽しいエピソードをお待ちしています。 了解しました!行ってきます!
編集後記
優しい笑顔が印象的な河原さん。ベトナムでもきっと雰囲気の良いオフィスを作られるんだろうな、と思いました。
ベトナムでも「桃太郎」や「かちかち山」が親しまれているとは驚きです。出てくる動物やストーリー展開が日本のものとは少し違うようなので、「スマほん」で「桃太郎 ベトナムバージョン」なんかが読めたら楽しそうですね。
引き続き、河原さんの現地レポも取材したいと思います!
取材&文:大澤 香織 フリーランスライター。6歳男子+3歳男子の母。これまで塾や幼児教室の講師を経験するなど、「教育」に強い興味あり。絵本大好き&子どもと歌を歌うのが大好きで、家族そろってスマートエデュケーションの知育アプリのファン。
 
 

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