2012年12月公開
 
く人が「心」や「肌」や「五感」をきちんと感じられるように「伝える」
-安浪さんは「おやこでスマほん」の童話シリーズを10作以上朗読されていますが、どの作品でも登場人物によって全く違う声を出されていますよね。とても一人で読んでいるようには聞こえません。 確かに色々な声を出せるのが自分の持ち味かもしれません。
小さい頃から朗読が大好きで、登場人物によって極端に声色を変えて読んだりしていました。小学生時代は感情をこめて読むことが「気持ち悪い」と友達に言われ、辛い想いをしたこともあります。からかわれるのが嫌で、意識して平坦に読んでいましたね。
今回はのびのびとやらせて頂けて楽しかったです。ただ、「白雪姫」は登場人物が多くて大変でした。7人のこびとも、一人ひとり声色を変えていたので・・・。
-「三匹のこぶた」に出てくる狼の「がるるるるー」というセリフも臨場感たっぷりで印象的でした。こんな風に読んだら面白いだろうというのはご自身で考えているんですか? 特に意識していなかったのですが、そんなに面白かったですか?
「がるるるるー」はあの表現以外には思いつかなかったですね。ごくごく自然に読んでいたつもりです(笑)。お姫様から狼まで、一人で何役もできるというのはとても楽しいですよ。
-これまで気象キャスターとして活躍されてきて、気象情報を伝えるのと絵本の朗読では伝える内容や伝え方が大分違うと思うのですが、何か大変なことはありましたか? 特に大変なことはなかったですね。「伝える」ということにおいて、両者の大きな違いというのは感じていません。
気象キャスター時代にお世話になった師匠には「病院で一歩も外に出られない人がちゃんと季節を感じられるような解説をしろ」と教えられました。「これだけ心に留めてキャスターをしろ」と言われたんです。
当時はラジオ番組を担当することが多かったのですが、聞く人が「心」や「肌」や「五感」をきちんと感じられるように伝える、ということを常に意識してきました。
今は童話を伝えていますが、伝える内容が天気であれ童話であれ、大切にしなければならないことは同じだと思っています。
-なるほど。だから安浪さんの語るストーリーは活き活きとしているんですね!朗読するときにはどんな工夫をされているんですか? 具体的に誰かを想像しているわけではないのですが、いつも「目の前のあなたにだけ語りかけているのよ」という意識で朗読をしています。
私は長年家庭教師の仕事をしていますが、子どもの心の中に入り込んで信頼関係を築かない限り決して成績は上がらない、ということを肌で感じてきました。
子どもと1対1で向かい合っている瞬間がとても好きなので、朗読をしているときも家庭教師をしている距離感を想像しながらお話を読んでいます。子どもがすぐ傍にいるという感覚で語りかけないと、色々なことが伝わらないのではないかと思っています。
-とても素敵ですね。お家でもお子様に絵本の「読み聞かせ」はされているんですか? よくしますよ。「読み聞かせ」は親子の大事なコミュニケーションの時間だと思うので、必ず膝の上に座らせて、肌と肌が触れ合うようにして読んでいます。
以前、「子どもへの絵本の与え方」についての勉強会に参加したことがあるのですが、そのなかで2歳まではかなり抑揚をつけて読むことが大切で、3歳以降は淡々と読むことが大切だ、という話がありました。子どもの成長段階に合わせて、声の刺激を与えるべき時と、敢えて感情を抑えて読むことで子どもの想像力を鍛えるべき時があるそうです。
今は子どもが1歳半なので、割と大げさに読んでいます。もともと声色を変えて読むことは好きなのですが、子どもの反応が薄かったりすると「もっと引きつけてやろう!」と思って、かなりオーバーになったりしていますね。
主人も最初は絵本を読むのがあまり上手ではなかったのですが、最近は私に影響されて「ちょっとやりすぎじゃないの?」と思ってしまうくらいに抑揚をつけて読めるようになりましたよ(笑)。
-実は私も絵本を読むのがあまり上手ではなくて、淡々と読んでしまうタイプなのですが、「スマほん」の安浪さんの朗読を聞いて、ちょっと感情をこめて読めるようになりました(笑)。絵本を読むのが下手なお母さんにとっても「スマほん」は勉強になりますね。 そんな使い方もあるんですね(笑)。私は「スマほん」の最も優れているところは「リアリティ」だと思います。紙の絵本は子どもの想像力を鍛えるという面では素晴らしいと思いますが、「スマほん」は自分が触ると動くので、子ども自身がリアルにその物語に参加しているという感覚を味わうことができます。絵本にない新しい刺激を体験することができるんですよね。
子どもが同じところばかり触っていると、「こんなところに興味があるのか」とお母さんが発見することもできます。絵本の代わりにスマほんを使うというのではなく、全く別のものとして目的によって使い分けたらいいのではないかと思います。
-今後何か挑戦してみたいことはありますか? 絵本の朗読は今後も喜んでやっていきたいと思っています。絵本の朗読という仕事を通して、沢山の親子のきずなを強められることができたら幸せですね。
個人的な目標としては、長年教育に携わっている立場として、日本の教育を変えていきたいと真剣に考えています。具体的には学校カリキュラムのレベルアップと、家庭教育の重要性を社会に広く訴えかけられるような活動をしていきたいな、と思っています。
-それは素晴らしいですね!是非頑張って下さい!!
安浪 京子 気象キャスターとしてNHK、MBSなど多数のテレビ・ラジオ番組での気象解説を担当。引退後の現在は元気象キャスターとして小学校での環境教育などを行う一方、中学受験算数専門のプロ家庭教師としても活躍中。1歳半の男の子の母でもある。「おやこでスマほん」では10作以上の童話の朗読を担当。 こんな子どもでした 子どもの時に好きだった本は林明子さんの「きょうはなんのひ」。主人公の女の子が歌う歌をオリジナルメロディーで歌ったり、絵本の真似をして謎かけの手紙を部屋に隠したりしていました。お菓子を作るのが好きだったので、小さい頃はお菓子屋さんやパン屋さんになりたかったですが、大きくなるにつれてアナウンサーやジャーナリストとしてテレビに出たいと思うようになりました。大人になってもまだまだ道半ば。理想を追い続けたいと思っています。
編集後記
安浪さんの朗読は本当に「すごい!」の一言です。落ち着いたナレーションと躍動感溢れる登場人物のセリフをまさか一人で読んでいるとは!子どもが夢中になる理由もよくわかります。 プロの家庭教師、気象予報士、経営者、母親と様々な顔を持ち、日々忙しく活動されている安浪さん。子どもの教育にも熱い想いを持っていらっしゃって、そのお話にもとても刺激を受けました。 今後も安浪さん朗読のお話がリリースされる予定です。是非お楽しみに!
取材&文:大澤 香織 フリーランスライター。6歳男子+3歳男子の母。これまで塾や幼児教室の講師を経験するなど、「教育」に強い興味あり。絵本大好き&子どもと歌を歌うのが大好きで、家族そろってスマートエデュケーションの知育アプリのファン。
 
 

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