2012年12月公開
 
分音符ってなんだっけ?」から始まった開発
-音楽アプリの開発におけるお二人の役割を教えて下さい。 谷川:現在、サーバーサイドの開発を担当しています。具体的には、音楽アプリが接続するサーバーの構築や、アプリを立ちあげたら出てくるお知らせ部分のWeb開発、楽曲をダウンロードする仕組みなどの開発を担当しています。

松浦:私はiOS向けの音楽アプリのプログラミングを担当しています。

谷川:アプリのプログラミングは、ほぼ松浦さん一人で行っているんですよ!
-「おやこでリズムえほん」、「おやこでリズムえほんプラス」、「リズムタップ」、「リズムドラム」の4アプリをほぼ一人でプログラミングされているんですか! 谷川:松浦さんはスーパープログラマーなんです(笑)。

松浦:確かにちょっと大変ではありますが、私自身が子育て中の父親ということもあり、「親子で一緒に楽しもう!」というスマートエデュケーションのアプリのコンセプトには強く共感しています。
「一度頂いた仕事は高いクオリティで完成させる」というフリープログラマーとしてのプライドもありますが、それ以上に「子ども達に本当に良いものを提供したい」という思いで仕事に取り組んでいる感じですね。世界中の子ども達が使うサービスを自分が作っていると思うととても嬉しい気持ちになります。
-音楽アプリを開発する上で大変なことはどんなことですか? 谷川:音と絵をいかにずらさずにアプリを動かすか、という「パフォーマンス」部分に最も神経を遣っています。
「リズムえほんプラス」や「リズムタップ」などは、「動く楽譜に合わせて楽器を演奏する」ゲームなのですが、「楽譜」と「音楽」がぴったり合っていないと、正しいリズムやメロディーで楽器を演奏できなくなってしまいます。
リズム感や音感を養うことを目的としているのに、そこがずれてしまうと音楽教材として成立しません。「アプリを使ったら音痴になってしまった」というのでは元も子もなくなってしまいます。

松浦:「リズムえほんプラス」を最初に作ったときは、絵と音楽のタイミングを合わせるだけで何度やりなおしたかわかりません(笑)。

谷川:音楽アプリを監修しているミュージシャンの方にレビューしてもらうと、0.1秒のずれでも「気持ち悪い!」と言われてしまって(笑)。でもピアノやヴァイオリンなど音楽教室でちゃんと音楽を習っているお子さんにもちゃんとした教材として提供できなければならないので、やはりクオリティは突き詰めなければ、という思いで頑張りましたよね。

松浦: そうですね。スマートフォンやタブレットはゲーム専用の端末ほど処理能力が高くないので、そのなかでパフォーマンスを出さなくてはいけないというのが一番難しいところです。
音楽アプリでは、音楽が流れると同時に楽譜や楽器の絵がどんどん動きます。グラフィックデータはとても重いので、端末が処理しきれないと音楽と絵がずれてしまったり、アプリが落ちてしまったりします。

谷川:作る側としては「もっとリッチなコンテンツで楽しませたい」と常に思っているので、端末の進化に伴ってどこまで処理をのせていけるかという限界点に挑戦し続けている感じですね。

松浦:どの端末でプレイするかによって、微妙にプログラムの処理速度が異なるというのも大変なところですね。
これまでに発売されたiPadだけでも4種類。それに加えてiPhoneの全バージョンと複数メーカーが開発するAndroid端末の全てに関して、パフォーマンスのチェックをしなければいけません。「全ての端末×全楽曲」での確認になるので、本当に細かくて地道な作業の連続です。
-可愛くてほのぼのとしたアプリの裏側に、そんなシビアな世界があるとは・・・。驚きです。開発する側も音感やリズ ム感がないとちょっと大変そうですね。 谷川:最初は大変でした。音楽に関してはみんな素人だったので、まず「四分音符とは何か?」というところから始まりましたよね。

松浦:そうですね。私も音楽の知識がほとんどなかったので、音楽の構造についてはかなり数学に置き換えて解釈しました。とにかく未知の世界だったので、トライ&エラーの繰り返しで切り拓いて行った感じです。音楽にもかなり詳しくなりました。

谷川:試行錯誤の連続で、色々な問題を乗り越えてきたので、今では音楽ゲームを専門で制作されている会社にも負けないクオリティで作れるようになっているのではないかと思います。もちろん、現状に満足するつもりはなく、引き続きパフォーマンスの改善には力を入れていきたいですね。

松浦:もっともっと音符が増えて、もっと背景や絵の動きがリッチになっても、ピッタリのタイミングでスムーズに動く楽しいアプリを作っていきたいと思います。
-音楽アプリに関して、今後挑戦してみたいことは何か ありますか? 谷川:今は「タップしたら音が出る」というように、自分の動作にアプリが反応することで楽しむゲームを作っていますが、今後は「音声的」にインタラクティブなものに挑戦してみたいですね。
例えば、自分の歌声に合わせてアプリも歌ってくれるとか。音声認識技術も発達してきているので、なにか新しいことができるのではないかと思っています。
「リトミック」のアプリなんかもいいな、と思っています。タッチデバイスと組み合わせて手遊びやダンスができたら楽しそうですよね。

松浦:私は新しい技術が大好きで、個人的に色々と情報を集めたりしているのですが、今注目しているのがunityという3Dのフレームワークです。これを使って作りたいものがあるのですよね。

谷川:何ですか?

松浦:まだ秘密です(笑)。出来上がったらお見せしますね。

谷川:松浦さんは本当に新しいものが大好きで、常に最新の情報を仕入れているんですよね。いつも色々なことを教えてもらっています。
谷川 裕之 スマートエデュケーションCTO。スマートエデュケーションが開発する全てのアプリにおける技術サポートとエンジニアのマネジメントを担当。一女の父。 こんな子どもでした テレビが大好きなインドア派でした。本に載っている「未来予想図」を見たりするのも大好きでした。憧れの職業は漫画家。とにかく絵を描くことが好きで、漫画1冊を手書きでコピーしたりしていました。 谷川 裕之のプロフィール


松浦 晃洋 チーフエンジニア 兼 株式会社シュハリ代表取締役。スマートエデュケーションが提供する全ての音楽アプリのプログラミングを担当。 こんな子どもでした 外遊びが大好きでしたが、漫画も大好きで幼稚園の時から少年漫画を読んでいました。小学校のころからプログラミングを始めるなど、ちょっと大人びた子ども時代でした。父が銀行員だったので将来は銀行員か、警察官になりたいと思っていました。 松浦 晃洋のプロフィール
発チームとしての「スマートエデュケーション」とは
-現在松浦さんは、フリープログラマーとしてアプリの開発に携わっていらっしゃいますが、ずばり、スマートエデュケーションの働きやすさはどんなところにありますか? 松浦:非常に柔軟で、色々なことに挑戦できるというのが一番の魅力ですね。例えば仕様書通りに作ることが難しかった場合でも、より早く、より良く開発を進めるための代替案を説明すれば、きちんと受け入れてもらえます。
これまで色々なプロジェクトに関わってきましたが、なかには仕様書通りじゃないと絶対に許されない、という環境もあるんですよね。

谷川:目的はあくまでも「良いものを作る」ことで、仕様書を完璧に実現することではありませんから。そのかわり「仕様書にはないんだけどこうしてみようか」みたいな話も結構ありますよね(笑)。

松浦:でも実際に作ってみると「ちょっと違うな」ということはあると思うので、早い段階で対応する方が良いと思います。
品質はもちろんスピードも大事なので。あとは細かい話ですが、質問や報告に対してきちんとフィードバックがあるというのも嬉しいです。
当たり前だと思われるかもしれませんが、意外としてもらえないことが多いんですよ。「バグがある」と言われたので修正して報告したものの、何の返事もなく、いつのまにかリリースされていてビックリした、という経験が何度かあります。
「正常に動くようになりました」、「リリースされました」という一言で、開発者の安心感やモチベーションも大きく変わってくると思うんですよね。

谷川:確かにコミュニケーションは大事ですよね。エンジニアに連絡がくるときは悪い知らせしかない、ってよく言いますからね(笑)。
-これから開発に携わるメンバーも増えていくと思いますが、谷川さんはどんなエンジニアチームを作っていきたいと思われますか? 谷川:センスの良さや技術力の高さを世界的に認められるようなチームを作っていきたいと思います。少数精鋭で大きなサービスを作れたらいいですね。

松浦:今スマートエデュケーションには外部のエンジニアの方も沢山関わっていますが、それぞれ得意分野があると思うので、そういう方達とこまめに情報共有していけたらいいなと思います。
それぞれの技術を掛け合わせれば、チーム全体としての技術力も上がっていくのではないかと思います。

谷川:まだまだスタートしたばかりの組織なので、これから参画して下さるメンバーの方と一緒に理想の組織へと成長させていけるといいな、と思います。
編集後記
子ども達が夢中になって遊ぶ仕組みの裏には、0.1秒、0.01秒をめぐる闘いがあると知り、本当に驚きました。
谷川さんと松浦さんは、どんなに忙しくてもお子さんとの触れ合いの時間を大切にするとっても素敵なパパでもあり、そんなお子さんへの愛情がアプリづくりにも表れているのかもしれないな、と思いました。
ちなみに谷川さんの好きな童謡は「さっちゃん」、松浦さんは「森のくまさん」だそうです。お二人ともお子さんが眠りにつくまで延々と歌い続けるそうで…。その忍耐強さも尊敬してしまいます(笑)。
取材&文:大澤 香織 フリーランスライター。6歳男子+3歳男子の母。これまで塾や幼児教室の講師を経験するなど、「教育」に強い興味あり。絵本大好き&子どもと歌を歌うのが大好きで、家族そろってスマートエデュケーションの知育アプリのファン。
 
 

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