2014/04/27

親が操作の手助けをしながら、一緒に遊ぶようにしています。

--ご家庭では、どのようなスマートデバイスを所有されていますか? 夫婦で1台ずつスマートフォンを所有しています。タブレットは友人に譲ってしまったので、今は持っていません。 --普段、谷平さんご自身はスマホをどのようなことに使っていますか? メールや電話はもちろん、LINE、Facebookなどを使っています。ネット検索もよくしますし、写真を撮影・加工することも多いですね。たまにクックパッドも使います。仕事で色々な人と頻繁に連絡をとる必要があるので、いつでもどこでも会社のメールやネットにつなぐことのできるスマホは本当に便利だなと思っています。 --お子様もスマホを使っていますか?また、どんなアプリが好きですか? はい。使います。娘は写真を見ることが大好きなので、毎日スマホで写真を見ています。アプリで遊ぶのも好きなのですが、そんなに長い時間は遊ばないですね。最近好きなのは、音楽遊びができるゲームやケーキを並べるゲームです。スマートエデュケーションのアプリでは、Eテレの「おかあさんといっしょ」の歌で遊べる「おやこでリズムあそび」が気に入っています。普段テレビで観てよく知っている歌で、しかも聞き慣れたおにいさんの声で歌っているので、とても喜んでいます。休みの日にはパパと一緒にスマホで遊ぶこともあります。先日はお料理のアプリを使って、一緒にハンバーグを焼く遊びをしていました。こういった遊びをきっかけに、実際のお料理にも興味をもってもらえたらいいな、と思いますね。 --1日のうち、どのような時間帯で、どのくらいの 時間遊びますか? 写真を見たり、カメラで遊んだりするのは大体15分くらいです。夕方保育園から帰ってきた後や、寝る前に遊ぶことが多いです。帰宅後に仕事の用事で私がスマホを触っていると、「写真みせて~」と邪魔されてしまうことも多いですね(笑)。 --お子様にスマホやタブレットを触らせる上で、何か決めているルール、注意している点はありますか? 娘はまだ操作がよくわかっていなくて、遊んでいる最中にホームボタンを押してアプリを閉じてしまったり、関係ないところを押してしまったりして、遊びが中断してしまうことも多いので、親が必ずそばにいて、操作の手伝いをしながら一緒に遊ぶようにしています。スマホは、親子で一緒に写真を見ながら話をするなど、コミュニケーションツールとして使うのはいいと思うのですが、例えば自分が食事の支度などで忙しい時に、子どもにスマホを渡すというようなことは、余程よいコンテンツでない限りできればあまりしたくないな、と思っています。今は操作をしてあげるという意味で一緒に遊んでいる面もありますが1人で遊ばせるのではなく、親子一緒に遊ぶものとして取り扱っていきたいなと思います。

子どもの「粘り強さ」や「諦めない力」が身につくようなアプリを使わせてみたいです。

--お子様のスマホ・タブレット使用に関して何か失敗談はありますか? 今は遊び専用の端末を持っておらず、大人が普段使っているものを娘に貸している状態なので、一度娘の手に渡ってしまうとなかなか返してもらえなくて、自分のことができず困ってしまうことがあります。また、寝る前に写真を見たがることが多いのですが、寝る前にデジタル機器を使用すると目が冴えてしまうこともあるので、あまり良くないかな、と思っています。 --お子様にはどんなアプリを使わせたいと思いますか? 小さい子どもでも、飽きずに色々なことを楽しく学べるアプリがいいですね。今幼児教室に通っているのですが、なかなか集中が難しい面もあるので、タブレットやスマホなど子どもが触って楽しめるツールをうまく使って、楽しく学ぶことができたらいいな、と思います。ほかには、アプリで遊ぶことで実際にお手伝いがしてみたくなるというアプリもあったらいいですね(笑)。

長年キャリア教育や人材教育に携わってきましたが、最近怒りのコントロールができない若者が増えているのではないか、と感じることがあります。世間でも「ゲームはすぐにリセットできるから、最近の若者は諦めるのが早い」ということを言われたりしていますが、デジタルツールはなんとなくそういう側面を助長してしまうようなイメージがあるので、逆に子どもの粘り強さや諦めない力が身につくようなアプリがあれば、ぜひ使ってみたいな、と思います。簡単にクリアできて、楽しければよいというようなコンテンツではなく、スマホやタブレットを使って遊んだり学んだりしたからこそ、強くたくましく生きていく力が育まれていくというように、子どものことをしっかりと考えて作られているアプリが増えていくといいな、と思いますね。私自身も教育関係の方や沢山のママと接する機会が多いので、そういった方々とコラボレーションして、いつか何か面白いアプリを作ることができたらいいな、とも思っています。
--谷平家ならではのスマートデバイス利用方法(活用方法)などはありますか? 子どもの何気ない日常の姿をスマホのカメラで撮るというのを夫婦でよくやっています。一眼レフカメラも持っていますが、スマホは常に携帯しているので思いついた時にすぐ撮ることができるのがいいですね。最近は私の“顔パック姿”を娘がスマホで撮ってくれました(笑)。

周りのママ達の間では、写真の整理やアルバム作りが話題に上ることが多いのですが、我が家ではスマホで撮った写真もしっかりと現像してアルバムを作っています。私の母が一生懸命アルバムを作ってくれていて、とても嬉しかったので、自分の娘にも同じことをしてあげて、両親に大切にされていることを実感してもらいたいな、と思っています。

アプリの開発会社には、せひ大人たちへの啓蒙活動にも力を入れていただきたいなと思います。

--お子様にスマホやタブレットを触らせることについて、どのようにお考えですか? 親子のしっかりとしたコミュニケーションがベースにあれば、スマホやタブレットはそのコミュニケーションを更に豊かにし、子どもの経験を広げられるツールだと思います。知育教材として、しっかりと考えて作られているアプリには魅力を感じますし、積極的に使っていきたいなと思います。

ただ、最近子ども向けアプリがとても増えていて、正直なところ、どんなものを選べば良いのか私自身もわかりません。ママ向けにわかりやすく情報を整理して、発信しているところもないですよね…。もしかしたらそういう便利なサイトが既にあるのかもしれませんが、IT業界の人と違ってネットで本質的な情報にたどり着く力が弱いので、なかなか見つけられません。結局ストアの人気ランキングで上位に入っているものや、とりあえず評価の良いものをダウンロードしてみるということしかできずにいるのですが、もう少し手軽に色々な情報が手に入るといいな、と思います。

これからのIT時代を生き抜いていくためには、小さい頃からこういったデバイスに慣れ親しむことは必要だと思いますが、とくに小さいうちは「ただ使っていればいい」というものではなく、「どのように使うか」がとても重要ですよね。アプリの開発会社には、ぜひ子どもを取り巻く大人たちへの啓蒙活動にも力を入れていただきたいな、と思います。
--最近、日本小児科医会も「スマホに子守をさせないで」というポスターを作って話題になりましたね。 そうですね。実際には電車やレストランで子どもが泣いたり騒いだりすると、周囲に冷たい目で見られることも多いので、仕方がない場面もあるでしょうし、極端にお母さんたちを追い詰めないでほしいな、という気持ちもありますが、スマホにかぎらず、テレビなども含めて何でもかんでもデジタルメディアに頼りすぎるのは危険だという考えには賛同します。娘は外遊びも、家でおもちゃ遊びをするのも、絵本を読むのも大好きです。スマホやタブレットでの遊びも色々な体験の一つとして、とらえていけばいいのではないかなと思います。当たり前のことですが、何事もバランスが大切ですよね。 --最後に子育てをする上で、谷平さんが大切にされていることについて教えて下さい。 愛情を言葉で伝え続けること、一緒にいる時間は子どものことをよく見て、受け止めて、褒めるということを大事にしています。私自身が両親、祖父母にそうやって育てられてきてとても感謝しているので、同じように育児をしていきたいなと思っています。これまで長い間人材業界に身を置いてきて感じるのは、「すべての原点は家庭にある」ということです。保護者が愛情を伝え続ければ、自己肯定感が強い子どもが育ちますし、自己肯定感が強ければどんなことがあっても、もう一度立ち上がることができます。過干渉になることなく、1人の「人」として娘の意志を尊重し、道を外れそうなときにはサポートするというのが理想ですね。
谷平優美さん 1980年生まれ。大手総合人材サービス会社、フリーのキャリアカウンセラーなどを経て2012年に株式会社ママハピを設立し、代表取締役に就任。「教育」や「働く」を軸に、様々なママ支援事業を展開中。2歳の女の子のママ。ご主人はシステム開発会社を経営。
http://www.mamahapi.jp/
編集後記
谷平さんは人材業界でのキャリアが長く、現在たくさんのママを支援する事業をされているということで、スマホ・タブレットと子育てについて、また少し違った視点からお話をして頂いて、とても勉強になりました。
「色んなアプリを使ってみたいと思うけど、どんなものを選んだらいいのかわからない」という声は私も周りのママからよく聞きます。ママ達の不安を取り除くような情報がもっと手軽に手に入るようになるといいな、と思います。
取材&文:大澤 香織 フリーランスライター。7歳男子+4歳男子の母。これまで塾や幼児教室の講師を経験するなど、「教育」に強い興味あり。絵本大好き&子どもと歌を歌うのが大好きで、家族そろってスマートエデュケーションの知育アプリのファン。

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